アンナと過ごした4日間

アンナと過ごした4日間 [DVD]

アンナと過ごした4日間 [DVD]

アンナと過ごした4日間を見ました。
ポーランド映画だそうで。こういうニッチな映画が好きなんですね。
でも、この映画、難しい…


たまたま強姦されているアンナをみたレオン。
やってもないのにその強姦犯と勘違いされる。
それ以来、恋心を抱いてしまう。
その恋心を募らせ、レオンの行動がエスカレートしていく。


考えたことは、アンナの部屋に侵入すること。
夜入って、アンナが寝ている隙に
ボタンを勝手につけたり、
花束を置いて行ったり、
足にマニキュアを塗っていったり、
指輪を置いて行ったり。


結局、鳩時計が壊れていて、それを修理して飾りなおしたところを御縄となってしまう。
裁判で「なぜ侵入したのかね」と聞かれ、「……愛です。」と答えるレオン。


結局、指輪は受け取れない、といわれる。
でも、強姦犯はあなたじゃない、と言い残すアンナ。


そんな結末。


終始ポーランドの町並みは灰色の空で撮られているけれど、
町並みがきれい。いってみたいなー。

しかし中身は難しい…
描きたかったのは愛の形。たぶん。
ひずんだ形としてどこまで出すか、というところに監督の創った物語がある。


ハリウッドでもてはやされるような、
あるいは日本の実力もないタレントで構成されるようなドラマで描かれるような、
そんなちゃっちいものなんかじゃない。
実はあるべき愛の姿なんてどこにもない。


こうやって出てきたレオンの行動もすべては愛ゆえなのだ。
同じ時間を共有したかった、喜んでほしい、など、プリミティブな階層では一緒。
しかし、それで出てきた具体的な行動が少しひずんでいた。
けれど、レオンはそれでもそこに真剣だった。


裁判中、アンナは震え上がっていた。
しかしながら、最後面接をしたときは、「犯人はあなたじゃない」「もう来ない」と言い残し去るアンナ。
愛の形がどうであれ、伝わったエンディングは、
結ばれるより愛の形が見えやすいものじゃないかな、って思う。


でも、まぁ、ここまでひずんだ形ではないにしろ、
多かれ少なかれ男ってこんなもんだよね、って言いたくなるかも。


表現の形として、それなりに何かをかけたレオン、そしてそのレオンを描いた監督に敬服する。


でもわかんねーなー…この映画。
いろんな意味で、映画の、人生の、玄人受けする映画だと思う。