話し方入門

話し方入門 新装版

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話し方入門 / カーネギー

を読了。

あの自己啓発の古典のカーネギーの話し方の本。
もともとカーネギーはpublic speechのコースを開講していたところから始まるらしいので、
原点といえば原点、らしい。

この本を読んで思ったことは、
いやー俺人前で話すということを全く計算に入れてないんだなー…
ということかな。
(自分の話で申し訳ないのだけど)

よく「コミュ力」あるねと言われて、
お前なら大丈夫だろ、といって人前でしゃべらさせられる。
で、いざ前に出てしゃべると、絶対に違う。
手ごたえでわかる。この手ごたえを感じるくらいにはコミュ力があるらしい笑。
何かが自分の中で違和感として残る。
何なんだろう、とりあえず改善したいなー。

そんな問題意識の中でこの本を手に取った。。


全部を紹介するのは野暮なので、印象に残ったところを挙げる。


・自信は周到な準備から


カーネギーはスピーチのためには勇気と自信が必要だと言っていて。
それを養うには、まずは周到な準備、という議論の流れ。

もう飽きた!っていうくらい、スピーチの内容について知りつくせば、
話もできるだろうし、ミスりもしないだろう。
というか、もっといえば、そこまでやってみすったらなもういいよ、って思えるところまでやって、
肩の力が抜けるところまでできれば、それが自信と勇気という形になるんじゃないかな。


・成功に欠かせないもの

要はがつがつ取り組みましょう、ということが書いてあった。
この手の話はよくある話で。
ヘリゲルの「弓と禅」にも似た話があったなーって思ったり。
この本、まだちゃんとは読んでないのだけど、流し読んだりはした。

・スピーチのはじめ方(ユーモラスな話で始めるのは注意)

僕の価値観が「話の成功度は笑いで決まる」と半分くらい思っているからなのでしょうが、
これは僕もやってしまって、最初は笑いがとれるのだけど、
いざ本題となると、違う手ごたえになる、ということがままあった。
笑いをとりにいくんじゃなくて、話全部の論旨を明確にするようなスピーチを挟めばよいのだ。
その過程で、笑いが出るのはよいことで。
話自体が、笑いを目的としたものになるとぶれるから要注意、という警告。
これは身にしみた。


・聴衆に関心を起こさせる方法

これがすごく興味深かった。
聴衆たちの「自分」の話になるように話を展開しろ、と。
結局みんな自分のことにしか興味がないのだ。
自分とリンクしにくいところなんて興味を持つはずがない。
聴衆の想像しやすいような感覚で、わかりやすい言葉で、
わかりやすくかつ聴衆に関係しているようにスピーチの展開を選ぶ。
そうして聴衆の心を鷲づかんでしまいましょう、と。


そうかーなるほどね。
自分の話しか興味無いのか。
やっぱりな、といった感じ。
90年も前の本に書いてあって、自分の実感とかぶるなら、きっと真理なんだろうな、って思う。
人の心をつかむコツってここにあるのかもね。
自分の話に興味を持ってもらうには、相手の話にする。
要は、自分に興味を持ってもらうには、相手に興味を持つ。

この議論好きなんだけど、やっぱりフロムに帰ってくる笑。
フロムさん賢いなー。
ここを押さえる人間になれたら、とりあえず一人前、って認めてあげたい。



でもこの本すごいのは、現代のもののプレゼン本に書いてあるようなことが結構たくさん書いてある。
90年も前の本なのにね。


スピーチってしたことないんだけど、プレゼンとはまたちょっと違うらしい。
わかりやすいように、としすぎると、どうもロジックの詰めが甘くなる。
研究発表のようなスピーチには向かないのかな。
それでも、会場の一番馬鹿そうな人を想定して話す、っていうのはポイントとして大きい。


ロジカルであることがすべてなのか、と言われると絶対にそうじゃないけど。
ロジカルプレゼンもいいけど、ジョブスプレゼンの話も読んでみたいなーって思ったりする最近。