趣味は何ですか?
- 作者: 高橋秀実
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/03/27
- メディア: 単行本
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を読了。
趣味ってなんだろう。
一般的にたぶん僕は多趣味なほうに入るんだろうな。
でも、高橋秀実と興味の範囲の大きさはたぶんかわらない。
「仕事だけの人生はやだ。趣味に時間を使いたい。」
いやそれはかまわないのだけど。
何のために?
そもそも仕事ってなんなの?
趣味ってなんなの?
趣味と仕事、の二元論はよくある議論なんだけど、そこははたしてExclusiveなのだろうか、と疑問が残る。
高橋秀実が講演会で「趣味はなんですか?」と聞かれて、答えられなかったところにこの本は始まる。
いろんな人の「趣味の話」をきき、その趣味を実践する、という形式の本。
本人はR25のコラムを書いている人で、斜に構えるけれど、鋭い文筆家だ。
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ある老人が、昔生き別れになった子供を探しに出る。
占い師が、山を5つ超えたところに子供はいるだろうとお告げをする。
5つ山越えを目指すも、3つ目の山で子供と再会する。
酒をかわし、一晩語らうも、翌日
「私は行かねばならない」
「なぜですか父さん、一緒に暮らしましょう」
「あと山を2つ上らねばならない」
…手段の目的化。
それは趣味ですか?と聞くしかない
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なんのための趣味なのか。
そもそもそういう意識の持ち方がだめなのか。
趣味について本人の考察が転々とする。
人生の味わい
↓
何かに見立てる
↓
できないもどかしさを味わう
↓
時間つぶし
↓
生きているだけ
いやまぁなるほどねーと思わせるエピソードとともに、二転三転する。
なんで人はこんなことやるんやろ、って思うことが多い。
でもいざ自分に翻ると、趣味はなんだ、となる。
勉強は趣味なのか、それとも本業なのか。
趣味の定義を本業以外に熱中していること、としてしまうと、
学生の本業ってなんなの?ってなってしまう。
趣味に熱中すること、と言い出す人もいる。勉強ともいう。よくわからない。
自分のやっていることにたいして、きちんと距離感が取りたくなった。
その趣味を無自覚にやっていることが絶対ではないのだ。
別に自分に翻らすつもりはやっている間は全くない。
純粋に好きだから、というよくわからない解答も封じると、さて、何が残るんだろうと思う。
一つ思うのは、とりあえずやりましょう、と簡単に思えて、ゴールのスケールも自分で調整して、
簡単にできたと思えるフレームワークはこれくらいじゃないかな、と思う。
趣味以外のほかのものは「べき」論で語られることに対して、そうじゃなくて、もっと違う語彙で語られる。
「したい」「できた」などなど。
何のために、というものでもないけれど、自分の本業以外と対立するとそういう項目になるだろうと想像できる。
じゃあ今においての趣味ってなんなんだろうね。
味わい?
結局、他者評価されるものか、自己評価だけで完結するのか、の違いな気もしてきましたが、どうでしょう。
この本の最初にこんなエピソードがある。
趣味を就活のエントリーシートの欄に書く時の話として、
「今の学生は自己分析が大好きなんです。この話になると、目を爛々と輝かせる。」
この裏には分析するに値する自分、という価値観が潜んでいて、趣味はその付加価値でしかない。
なるほどね、と思わされる。
学び、自分に翻らすことが趣味の目的ではないのだ。
何も意識せず、もっと純粋に取り組めるものこそが、本当の趣味な気がした。
自分が本当に趣味と言い切れるものはなんなんだろう、と考えさせられた。
あるいは本業の逆なのかもしれない。わからない。
でも、もっと趣味の趣味性を追求したいな、と思わなくもない。
それこそ人生の味わいで、生きていることそれ自体なのだから。