過去のない男

過去のない男


を見ました。フィンランド映画
フィンランド映画は何から何までマニアックだった…


男は暴漢に襲われ、記憶を失って、小さな町に来てしまった。
そこで、職探しを始める。
救世軍の女性に惚れ、デートを重ねるも、
写真が新聞に載ると、もともとの奥さんから連絡があった。
家に戻ると、離婚が成立していたことが発覚し、
記憶喪失したときの街に戻って救世軍の女性と結ばれる…


ザ・シンプル。


あまり主張がない映画。
ある意味こざっぱりしているといえる。
特にここが印象的、ということもなく、
淡々と話が進んでいく。
きっとこういう監督なんだろうな、って思わされる。


映画のくせに静的。
ハリウッド映画みたいに、いたずらに動的をあおるものでもなく、
ワンシーンを写真のようにカットしたシーンが続く。


さらに、何がマニアックかって、
誰一人として美しくもないし、恰好よくもない。


「アンナとすごした4日間」(これはポーランド映画)とかも見て思ったけど、
ヨーロッパのはずれのほうの映画ってきっとこういう雰囲気なんだろうな、って思う。
というか、映画好きが本当に好きになりそうな映画で、
(マニアックだからw)
きっと自国で賄えるものは入ってこないため、
こういうマニアックなものしかマイナー国からしかこないのかもしれない。



ふつうの映画には満足できない人向け。
ストーリーはシンプルだし、よくあるネタだから、
逆にこういう風に料理したくなるのかも。



ちょっと触れておくと、北欧の空気感がすごく出ていた。
北欧の空気感、といっても、
僕の場合シャレオツな家具か、ゴリゴリ重低音を鳴らすメタルのイメージしかないのだけど、
そうじゃなくて、もっと寒々しい感じ。


誰一人裕福でもなく、寒々しい街で話が展開していく。
淡々と。みんな生きるのにそれなりに必死でありつつも、どこか温かい。
けど、それも前面に押し出されない。


そして淡々と、記憶が戻った後に、主人公を助けた男が
人生は前にしか進まない、後ろに進んだら大変だ。
と言い出す。
それに無言でうなずく主人公。


映像もざらついていて、80年代前半っぽい雰囲気。
けだるくみんなだらしない感じ。
本当にそんな映画。
これ、いろんな事情で今日の朝5時から7時、外でPC開いて見てたんだけど笑、
寒くてしょうがなかった…




北欧の空気感というと、

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この間みたのですが、
これも舞台はフィンランド


これはそこまで寒々しい感じもしなかったかな。
舞台がヘルシンキだったから、
都会ならどこも生活が一緒、なのか、あるいは日本人が作った(トイレットの監督)から、
なのかどうかはわかりませんが、
日本のアーバンな映画と似たものを感じた。


個人的には、トイレットを見たせいで、
もたいまさこが普通に喋っているのにちょっとショックだった。