マダガスカルに行きたい人のための一般的な情報1

2011年9月27日から10月11日までマダガスカルという国に旅行に出ていました。

なぜ行きたかったのか、という話はともかく、行くにあたって、また行ったときに、

知りたい情報が事前に手に入らなかった、
あるいは、
旅行記は結構あるものの、一般的な情報はその中から探さないとわからなかった。

ということが多々起こったので、行ってきた身分として、


「気になるけど、ガイドブックには載ってないが、自分の手でつかみたいようなものではない情報」


をまとめようと思います。


なお、以下のことを記しました。


0.概論
i.魅力
ii.どうやっていくのか
iii.ガイドブック
1.お金
i.アリアリ
ii.ユーロ、米ドルなどの外貨
2.言葉
3.交通

  • 長距離

i.タクシーブルース
ii.飛行機
iii.チャーター

  • 短距離

i.タクシーなど
4.ガイド
5.感染症
i.下痢
ii.マラリア



では以下本論です。


0.概論


マダガスカルはどういう国なのか、どうやったらいけるのか、ということを簡単にお話します。
簡単にまとめると「旅行するには、お金か根性がいる国」だと思ってください。


i.魅力

簡単にいえば

・自然などマダガスカル固有のもの
・観光開発されきってない人々の素朴な感じ

にあると思います。

前者は観光業者などに宣伝されているもので、多くの人たちが見に行くものです。
ですが、そこに住む人たちは、観光業を営んでいる人たち特有の「すれた」感じがまだなく、
開発もされきってなくて、多くの街では、
すぐそばにそこで住んでいる人たちがたくさんいて、人懐っこいです。


そういう物が好きな人には楽しい旅行になると思います。


ii.日本からどうやって行くのか

バンコクからマダガスカル航空が出ています。
多くの人がこれを使います。


なお、HISなどの代理店で取ると40万を超えたりしてとっても高いので、
マダガスカル航空のウェブサイトから取るとよいでしょう。
10月15日現在Bangkok-Antananarivo間624ユーロと出てますが、
多分もう少し加算されて10万円弱に落ち着くはずです。


僕は、格安航空券の代理店に頼んで、19万円程度で全行程往復を抑えました。
なお、交通のところで述べますが、国際線と国内線は一緒に予約すると国内線の割引がかなり効きます。



iii.誰が来るのか


ダントツで多いのは、フランス人カップル家族です。20代後半くらいからきます。
日本でいえば沖縄の少し離れた離島みたいなノリできます。
とにかくフランス人ばかりいます。


イタリア人、日本人、アメリカ人などがよくいるそうですが、どれもあまり見かけませんでした。
フランス人以外は大体「金持ちの旅行好き」です。
バックパッカーも(時期が時期だったのか)いませんでした。
バックパッカーがめぐるには結構厳しい国であるのは間違いありません。
(見られるものが大体郊外にある、道路条件が厳しい、などなど)


バンコクから出ていますが、タイ人の旅行客はあまりいません。中国人はちらほらいます。
タイから直通便が出ている理由があるのですが、それは本論からそれるので触れません。


iv.ガイドブック

ガイドブックをもっていかないと、マダガスカル旅行ではそれは直ちに死を意味します。
「□□は○○という街にあります」とあっても、北に60kmくらい行ったところにある、とかザラだからです。
多くの人が、自然を見に行くのであって、街を旅行するわけではないので、ガイドブックは自衛のために見ておいたほうがよいと思います。
2冊メジャーなものと、1冊日本ではあまり知られていない物を紹介します。


地球の歩き方
Lonely Planet
・Bradt


地球の歩き方

言わずと知れたメジャーどころ。
辺境国は情報の正確性に疑問が出ていたり、実際と違ったりしますが、
マダガスカルに関しては不正確だとは感じませんでした。
大体これに書いてあることは信用していいし、質のいい情報が載っていると感じました。
ただ、細かいことはあんまり書いていないとも感じました。


ロンリープラネット

ガイドブックの世界的決定版。
地球の歩き方が「間違ってはいないが細かい情報がない」のに対し、
ロンリープラネットは細かくて正確。ただし写真や図がない。
また、日本由来の〜みたいなものは載ってない。


・Bradt Travel Guide

辺境旅行あるいは一風変わった旅行のガイドブックばかり出している有名どころだそうです。
Bradtシリーズを発行したBradtさんは、マダガスカルが専門なので、
それなりにいろいろなことがマニアックに書いてありました。


ただ、ロンリープラネットが「旅行するときにどこに泊まるか、何を食べるか、どうするか」など、実際的な情報が多いのに対し、
Bradtはバックグラウンド的な情報、この街がどうやってできたか、ここには何がどのようにあるか、などの情報が多いので、使うのには不向きだと感じましたが読み物として面白いです。


ちなみに日本ではあまり知られていないのか、人からBradtの話は聞いたことはありません。
また、日本の本屋では見かけたことがありません。
僕は3年前にベルリンの本屋で買いました。amazonなどで入手可能みたいです。


1.お金

マダガスカルで使われているお金の話をします。

外国人が使えるのは
アリアリ(Ariary)という国内通貨
外貨であるユーロ、米ドル
です。


100Ar = 4円
2650Ar から 2700Ar = 1ユーロ


です。
なお米ドルは使わなかったのでわからないです。
(米ドルを使っている人も見かけませんでしたが、多分可能です。)


アリアリは国内通貨です。
大体の買い物はこれでします。
とにかく桁の多さと物価感覚の違いから、また地元の人向けの物と、観光客向けの物の物価が割と違うために、金銭感覚が養われません。


宿や旅行者向けのレストランなどでは、ユーロや米ドルが使えます。
レートは大体1ユーロ2650から2700です。
1ユーロ2600とか2500とか吹っ掛けられるので、めげずに交渉しましょう。


なお、アリアリ交換ですが、
両替所に行くと、1ユーロで2500Arとかでやられてしまいます。
外貨を買えるような銀行に行くと、とにかく混んでいますが、
きちんと市場価格と手数料で交換できるようです。
市場価格では、1ユーロで2900Arだった気がします。


アリアリから外貨への交換は結構厳しく制限されているので、
使う分だけ交換するのがお勧めです。


参考までに物価を書いておきます。

水1.5l
1500Ar - 2000Ar


ビスケット15枚
1600Ar


ビール
スーパーや市場で買うと1900Ar,
レストランで買うと4000Ar


地方都市のタクシー(ex. Fort Dauphin)
1000Ar

首都のタクシー
近距離4000Ar
中距離7000Ar
空港首都間30000Ar
(最初はみんな10000Ar、空港首都間40000Arと言ってきます。粘りましょう。)


宿

低級
10000Arから25000Ar

中級
30000Arから70000Ar

高級
それ以上。
首都はとにかく高い。


ガイド
雇い方に依るけど、
都市部から自然保護区(多くのマダガスカルの野生動物はここにいる)に行こうとすると
2人で旅行なら車込みで一日180000Ar+ガイド料20000Arとかとか。


二点だけ雑記
・旧通貨であるFMg(マダガスカルフラン)という単位をたまに見かけますが、Arと併記されているので気にすることは全くないです。
・お金の概念は首都と地方で分けた方がいいくらい首都は高いです。
参考までに。




2.言葉


マダガスカルで使われている言葉の話をします。
結論としては


「英語ができない人は日本人のガイドがいるパックツアーに行け。
英語が少しできれば旅行はできるが苦労は多い。
フランス語ができると旅行はもっと楽しい。
だけど値段交渉はフランス語で。」


以下詳細です。


マダガスカル人の庶民が話す母国語はマダガスカル語(Malagasy)です。
義務教育である小学校に行くと、旧宗主国であるフランスの言語フランス語を習います。


なので、庶民にとってフランス語は、日本人にとっての英語と似ているかも。
ごく庶民は知ってはいるがそんなに話せない、
でもまぁ少しは話せるよ、という感じなのが実感です。
フランス語での簡単な意志疎通なら、大抵の人ができます。
彼らは、フランス語が話せることが、自分のインテリジェンスの証、と思っているように感じました。
(参考までに、官僚は日常会話もフランス語で行うようです。)


庶民は英語を全く話しません。
英語を話す人は、観光業に従事する人の一部に限られています。
英語しゃべる人は、お金が貪欲にほしい人です。
あるいは少し知的レベルの高い人が知っている、ぐらいです。
具体的には、後に述べるタクシーブルースという庶民用バスに乗ると、
20人くらい乗っていて、1人話せたらいい方、くらいです。
なお、英語は発音が結構悪いので、ガイドであれば辛抱強く聞きましょう。
道端であれば、辛抱強く聞いてしまうと、日本人は結構ぼられます。

ぼられないようにするには
自信を持って話す。
英語で金の話は極力避ける。あるいは強硬な態度を取る。

この2つが極めて有効です。


日本語は、現地のガイドが「少し知っている」くらいでした。
日本語がしゃべれるガイドは地方ではまずいません。



ということで、まとめると

マダガスカル語 
誰もが話す。


フランス語 
多分そこそこ複雑なことまでフランス語で聞いても答えられる大人は多いと思う。
(ちなみに僕はフランス語はサバイバルに必要な簡単な物を暇なときに調べて覚えていた程度です。)


英語
庶民には通じない。外国人向け観光業に従事している人にしか通じない。

(それゆえ値段の交渉は英語でやることは不利であることが多い)


日本語
多分諦めた方がいい。


です。



なお、数字やお金周りの単語はフランス語で覚えていった方がいいです。
絶対にぼられます。
ジェスチャーでやり取りできている、というのは大間違いです。
Quatre mille ariary!(4000Ar)と言われて一瞬分からずポカンとして10000Arを出したらお釣りが2000Arでした。


英語で値段を言われても、フランス語で確認しなおした方がベターです。
英語の数字を理解していない可能性があります。


最初に自信を持って英語で話しかけて、相手が通じない場合、
「俺が悪いんじゃなくて英語しゃべらないお前が悪いんだしょうがねぇなぁ」
みたいな感じで片言でもフランス語で意志疎通して、
強硬な態度で値段交渉に臨む。


これで初めてまともな値段が出てきます。
日本人はこれくらいしないと本当にぼられます。


長くなりましたので、続きは別の記事に書きます。
マダガスカルに行きたい人のための一般的な情報2