モロッコに行きたい人のための一般的な情報

2012年12月20日から12月27日までモロッコに行ってきました.
何を見に行った,とかはともかくとして,「ガイドブックに載ってないんだけど,自分の手で掴みたいわけでもない情報」をまとめておこうと思います.

行程は
タンジェ→マラケシュエッサウィラ(日帰り)→マラケシュから砂漠ツアー→フェズ→タンジェ
で一週間でした.

なお,以下のことを記しました.

0.概論
i.魅力
ii.どうやっていくのか
iii.ガイドブック
1.お金・相場・物価
i.ディルハム
ii.ユーロなどの外貨
2.言葉
3.交通
•長距離
i.バス
ii.電車
iii.グランタクシー
•短距離
i.タクシーなど
4.ガイド
5.感染症


0.概論
ロッコはどういう国なのか,どうやったらいけるのか,というお話を簡単にします.

i.魅力
ロッコの魅力は
・日本人からすれば異文化とも言えるアラブ圏であること
・砂漠などの観光資源が豊富であること
・冬は比較的あったかいこと
などが挙げられます.

かなり型にはまった観光地中の観光地とも言えるところで,何が見せ物なのかをみんなある程度知っている感じがします.行ったらそれなりに楽しいと思われます.
多くの日本人が訪れるらしく,街を歩いていると「コンニチハ」と話しかけられます.旅行でなかよくなった中国人も韓国人も同じこと言っていたので,日本人が多いのでしょう.

その分,開発されきっているのか,観光客を見るとだいたい金の話になる印象が若干しました.その辺ちょっとすれてるのかな,とも思います.

ii.どうやっていくのか
この当時(執筆現在今もだけど)筆者はヨーロッパで在外邦人をしているので,日本からどう行くのかは分かりかねます.

友人と僕が使った手段は,フランスにあるParis-Beauvais空港という,日本で言う茨城空港みたいな空港から,モロッコの一番北であるTangerという街に出ました.
Ryanairという航空会社を使って,往復で130ユーロでした.
(復路はすでにヨーロッパのバカンスシーズンに入っていたので高めでしたが,時期をずらせば80ユーロくらいになるはず)


つまり,ヨーロッパのついでに行く,というオプションもあるんじゃないかな,と思いました.


iii. ガイドブック
僕らはLonely Planetを使ってモロッコを回りました.
大概の情報は正確だと感じました.

あと,ガイドブックとしてはあまり役に立たないけれど,こういうところ見たいなぁというのに役に立ったのがfotopediaでした.

1.お金
ロッコでの通貨のお話をします.
i.ディルハム(DH)
ロッコの現地通貨です.1DHで10円強くらいで計算して間違いないと思います.現地通貨さえ持っていれば,大丈夫という感じはしました.
物価としては
街中タクシー 20DH
水 7DH
歯ブラシ 20DH
普通の飯 30-50DH
宿(リヤドと呼ばれる伝統的な宿泊施設)120-150DH
物価は日本の半額から4割くらいだと思っていれば間に合っていたように思います.ただし日本でもリゾート地で缶ジュースが200円したりするのと同様に,一部観光客向けに多くとっている店が存在します.砂漠ツアーに行ったとき(後述)は,店の選択肢がなく,独占市場で飯が80DHなどの価格設定がなされていました.


基本的にモロッコの特に旧市街では,交渉で値段が決まります.
メディナなどの露天ばかりがあるところでは,客引きがこれでもか,とよってきます.そして自動的に交渉に巻き込まれます.買う気がないなら,断るといいと思います.last priceと抜かしても,「考えるわ」というともっと値下がったりします.しつこい客引きもいるので,その時は大声で怒鳴るとおとなしく消えます.欲しいものが無い限り,あんまりものを買う気が起きないなぁというのが正直な感想です.

また,宿ですが,これも交渉次第で安くなります.だいたい吹っかけられるので,半額くらいで言ってみるのがいいと思います.


ii.ユーロ(EUR)
ユーロは,一部宿泊施設で使えました.ですが,あんまりユーロしかもっていないというのは身軽のように思えませんでした.街のそこら中に両替施設があるので,そこで両替することをお勧めします.

2.言葉
ロッコの街にいる人たちはみんなアラビア語を話します.第一外国語として旧宗主国フランスの言葉であるフランス語を話します.この二つのどちらかができれば,特に苦労する事なく旅行できると思います.
砂漠地域に行くと,ベルベル語という固有の言語を話している人たちがいますが,特に旅行者が接する範囲では,砂漠地域に単身直接乗り込むのでない限り,上記2つの言語で足りると思われます.
タンジェなど北に行くと,フランス語を理解しない人たちが出てきます.その代わりに彼らはスペイン語を話します.北に行かれる方で,フランス語しかできない人は北に行くと少し苦労するかもしれません.

英語は思ったより通じません.その割に商魂逞しいので,英語による意思疎通は「簡単な言葉で,はっきりと」したほうがいいと思われます.
庶民は英語を全く理解しません.フランス語はちょっとわかるみたいです.

簡単な日本語の言葉を知っている人が多いです.ですが,まったく使い物にならないので,お話のスパイスくらいにしかなりません.

3.交通
ロッコ国内の交通の話をします.
•長距離
ロッコ国内は,少なくとも北の範囲はよく開発されているので,道がダートだとかそういうことはあまりおこりません.なので,バスでの移動が現実的だと思います.
i.バス
かなり安くバスで長距離移動できます.また,バスもバスという名のワゴンということもなく,水準としては東欧地域や日本の深夜バスくらいはありました.
マラケシュエッサウィラ間40DH(移動時間3時間くらい)
フェズタンジェ間100DH(移動時間6時間くらい)
でしたが,快適でした.
ちなみに油断すると休憩中に置いてかれるので注意が必要です.

ii.電車
ロッコ国内は電車も通っていますが,バスに比べて機動性がいいとは言えません.
僕らが乗ったのは夜行列車で
タンジェマラケシュ間350DH(10時間くらい)
でした.
夜行列車はGoogleで検索すると一件目に強盗が出た話があって,僕らは結構びくびくしていたのですが,
幸いなことにそういうことはおこりそうもなく,家族連れや女性旅もいるくらいでしたので,普通の警戒レベルでいいとおもいます.

iii.グランタクシー
これはくせ者なので注意が必要です.「大きいタクシー」という意味で,長距離用のタクシーはだいたいこういう名前がついています.チャーターしてバスがないところでも自分で行き先を言えるのがいいところです.
ロンリープラネットなどを見ると「6人まで乗れる」と書いてあったのですが,
普通の乗用車です. 助手席に2人,後ろに4人乗る事を想定しています.
つまり4人以上で乗ると吐き気がします.
僕らが乗った時は5人で乗って,僕はダウンしてしまいました.
値段は
ザゴラフェズ間1200DH(5人で割りました,移動時間9時間)
で,バスよりちょっと割り増しくらいなのですが,とにかく4人で乗る事をお勧めします.


•短距離
街中の移動手段は大体がタクシーです.
マラケシュ20DH
エッサウィラ7DH
タンジェ30DH
くらいであったと記憶しています.

4.ガイド・ツアー
ロッコのガイドやツアーの話をまとめます.
メディナ
メディナという旧市街は,迷路のように入り組んでいます.どこに何があるのかGoogle mapsですら心もとないです.
そこで,案内するよ,という人が寄ってきます.この人たちは「俺親切にするのが好きなんだ」とたとえ最初に言ったとしても必ずお金をとってきます.僕らはそれで200DH請求され殴り合い寸前までいきました.
どうやら免許制の街もあるそうです(フェズやマラケシュはそうだったように記憶しています)
ですが,メディナ案内するよ,といい寄ってくる人たちはだいたい無免許です.その分安いはずで,交渉しきれば30DHとかでやってくれるはずだと思います.
問題なのは,最初に何も決めない事です.ぼくらみたいな事件が起こります.
免許制の人たちは100DHとかでやってくれるそうです.中身は分からないのですが,知り合った韓国人は案内してもらっていました.多分普通に満足できるクオリティであるものだと思います.
(僕はフランス語ができる友人と行ったので,情報に関する金銭感覚が全く違い,こういうものはあんまり雇いませんでした.一人だったら雇っていたと思います.)


・ツアー
ロッコに行った人間が必ず行くのが砂漠ツアーです.これもマラケシュなどを歩いているととにかく言い寄ってきます.
フェズからも出ているそうですが,そういう客引きには会いませんでした.むしろ,マラケシュから出るのが一般的のようです.
マラケシュから出て,アルジェリア国境沿いのサハラ砂漠まで行きます.(なお,モロッコアルジェリア間は陸路の国境を封鎖しているので,安全です.)

僕らはサハラエクスペディションという会社のツアーに参加しました.フナ広場と呼ばれるとにかく広い広場のそばにあります.客引きも寄ってくるのですぐわかると思います.

2泊3日で800DHでした.普通は900DHから1000DHするらしいので,交渉すればそれくらいになる事が可能だということです.

中身としては,
1日目:アイトベンバッフゥという世界遺産の街を訪れ,ワルザザードという映画のロケ地が集う街に行く
2日目:サハラ砂漠まで入って,らくだに乗って砂漠内でキャンプファイヤーして泊まる.
3日目:帰る
という感じでした.帰る途中でフェズに出る事も可能です.


5.感染症
最後に,感染症のリスクについてお話したいと思います.
特にマラリアが流行っているわけでもないのですが,食が合わないと当たるくらいです.僕と友人は「ケフタ」という独特の臭みがあるひき肉が口に合わず,僕は腹を下してしまいました.
それ以外は特にリスクに感じませんでした.

さっと書いてしまいましたが,以上です.

Lonely Planet Morocco (Travel Guide) (English Edition)

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